『パラサイト半地下の家族』で世界を席巻し、アカデミー賞作品賞を受賞したポン・ジュノ監督の最新作、映画『ミッキー17』(原題:『Mickey 17』)。その主演は『THE BATMAN -ザ・バットマン-』や『TENET/テネット』で知られる今最も輝く俳優の一人、ロバート・パティンソン。死と再生を繰り返す“使い捨て人間”という衝撃的な設定を軸に、ブラックユーモアと社会風刺が炸裂するSFスリラー作品です。
基本情報
- 公開年月:2025年3月
- 監督/脚本:ポン・ジュノ(『パラサイト半地下の家族』、『スノーピアサー』)
- 原作:エドワード・アシュトン(2022年の小説『ミッキー7』)
- ジャンル:SFブラックコメディ
- 上映時間:137分
- 製作会社:プランBエンターテインメント
- 配給:ワーナー・ブラザース
映画『ミッキー17』配信・視聴情報
『ミッキー17』は以下の主要配信サービスで視聴可能です。
- Amazon prime video
- Apple TV
- U-NEXT
- Lemino
- Hulu等の主要VODサービス
※情報は2025年9月時点のものです。配信状況は変更される場合がありますので、最新情報は公式サイトで確認してください。
あらすじ
舞台は近未来、2054年頃。物語の舞台は、人類が居住可能な新たな惑星「ニヴルヘイム」。主人公ミッキーは植民地として過酷な氷の星を開拓するために雇われた“エクスペンダブル”(消耗品要員)。彼の任務は「死ぬこと」でした。危険な任務にに投入され、死亡すると記憶を引き継いだクローンとして再生されます。
不幸続きのミッキーは、この境遇から脱するために幾度もの”死”を経験しながらも仕事を続けます。しかしあるときミッキーは、予期せぬ展開と対峙することになります。自分とは何者か、生きる意味とは何か、という問いに直面し、自分の存在意義と運命に抗う姿を描いていきます。
主要キャスト(キャラクター)
- ロバート・パティンソン(ミッキー・バーンズ)
- ナオミ・アッキー(ナーシャ・バリッジ) ミッキーの恋人
- マーク・ラファロ(ケネス・マーシャル) 惑星開拓のリーダー
- トニ・コレット(イルファ・マーシャル) ケネスの妻
映画『ミッキー17』の4つの見どころ
1.ポン・ジュノ流の社会風刺とブラックコメディ
ポン・ジュノ監督は『殺人の追憶』、『グエムル』、『スノーピアサー』など、ジャンルを超えた作品で知られていますが、『ミッキー17』ではそのすべての要素が融合されています。”立場の格差”、“権力と使い捨て労働”、“不条理な社会構造”に対する痛烈な批評が、SFという設定を通じて鮮やかに描かれています。
監督の持ち味である、絶妙なユーモアとブラックジョークも健在です。絶望的な状況下でも、どこか滑稽で人間味あふれるやり取りが物語に深みとユーモアをもたらし、観客を飽きさせません。
2.クローン技術が突きつける、究極の問い『私とは誰か?』
クローン技術によって「何度も死んで生き返る」ミッキー。そのたびに“同じ自分”と言えるのか?記憶、身体、経験、感情”私らしさ”はどこにあるのか、という哲学的テーマが物語の核になっています。
3.謎の生物“クリーパー”
氷の惑星ニヴルヘイムに生息する“クリーパー(Creepers)”という生物たちの存在が独特です。デザインは可愛いものから不気味なものまで幅があり、ただ恐ろしいだけでなく、“異質なもの”への畏怖や共感も感じさせる造形となっています。
4.ロバート・パティンソンが魅せる新たな演技の境地
『トワイライト』シリーズで一躍スターダムにのし上がったロバート・パティンソン。しかし近年は、『TENET デネット』、『THE BATMAN -ザ・バットマン-』といった大作から、『ライトハウス』のようなアート系作品まで、ジャンルを問わず多様な役柄に挑戦し、俳優としての評価を不動のものにしています。ミッキーという複雑なキャラクターを死と再生を繰り返す中での感情の揺れ、葛藤、そして反抗心を繊細に表現しています。
こんな人におすすめ
- SF映画好き
- 独特な設定と世界観を持つ作品です。死と再生、クローン、異星生物など、SFの王道要素が満載!
- ポン・ジュノ監督のファン
- 『パラサイト』、『スノーピアサー』などの監督作品が好きな方には必見の作品です。
- ブラックジョークやダークなユーモアが好きな人
- 絶望的な状況下でもクスッと笑えるような、ブラックジョークが散りばめられています。
- ロバート・パティンソンファン
- ヒーロー的演出とは異なる、彼の新たな一面が発見できる作品です。
個人的評価:★★★★☆(4.0/5.0)
個人的な評価は4.0点です。異星の開拓、クローン人間、異星生物などSFの王道の作品です。しかし、ポン・ジュノ監督らしい社会の不条理や個人の尊厳、社会風刺など深いテーマの作品でもあります。R指定の作品ではありませんが、家族と観る際には多少気まずく感じるシーンがあるかもしれません。
まとめ
ロバート・パティンソンの情けなくも愛嬌のある表情や、強くクールな表情も見ることができるファンにとってはたまらない映画です。運が無く、悲惨な生活を送る主人公ミッキーですが、ポン・ジュノ監督らしい笑いやブラックユーモアが悲壮になりすぎず絶妙なバランスになっています。